求人情報や転職サイトを見ていると、女性の人気職に必ずというほど挙がっているもののひとつに医療事務があります。
医療事務というと「病院の受付の人」というイメージは湧きやすいものの、受付以外の業務についてはあまりに知られていないかもしれません。
医療事務の仕事には受付のほかにも、
- カルテを元に患者さんの医療費を計算する会計業務
- 患者さんから受け取った一部負担金を差し引いた残りの医療費を保険者に請求する請求業務
など、実は病院の収入に関する計算や手続きのほとんどを担当しているんです。
医療事務が「医療受付や病院受付」ではなく「医療事務」と呼ばれているのは、この会計・請求に関する業務の重要性が高いからでしょう。
このページでは医療事務の仕事や資格に興味のある方のために、医療事務の詳しい仕事内容を解説しています。

これから一緒に医療事務のことを知っていこうね。
医療事務とは?
冒頭でも書いたように、医療事務は病院などの医療機関で、受付・会計・請求を担当しています。
病院の規模にもよりますが、医療事務の人数は病院全体に勤める人のおよそ1~2割ほどです。

医療事務の仕事内容
受付業務
来院された患者さんに、診察の受付をします。
初めて来院された患者さんの場合は新患受付といって、書いてもらった受付票と被保険者証や高齢受給者証を確認し、個人情報等の入力・カルテの上書きの記入・診察券の作成を行います。
来院されたことのある患者さんの場合は再来受付といって、診察券の確認、被保険者証の確認(原則 月1回)、カルテの準備を行います。
外来だけでなく入退院の受付や電話応対、お見舞いに来られた方への案内なども行います。
会計準備・会計
診療録(カルテ)を元に医療行為や投与された薬代を点数化し、医療費の計算をします。
この医療費のうち患者さんの保険区分に沿った割合で一部負担金(多くは3割)を徴収し、領収書等の交付を行います。

請求業務
保険者に医療費を請求するのも医療事務の重要な仕事です。
患者さんの医療費のうち、一部負担金を差し引いた残りの医療費(多くは7割)を保険者に請求します。
保険者とは
被保険者証を発行している機関。国保や協会けんぽ、各組合など。
保険者への請求は、1日から末日までの1ヶ月分をまとめて行います。
患者さんごと・保険者ごとに、1ヶ月分に行われた医療行為に対する医療費の詳細を書いた診療報酬明細書(レセプト)を作成し、これを保険者に提出することで請求します。
レセプトの作成し、ミスがないか点検し、最後に提出するのが医療事務の請求業務です。
月末から翌月10日頃にかけて行われる月次業務となっています。
医療費の請求に関するこれらの業務のことをで診療報酬請求事務といいます。
レセプトの作成や点検は専門性が高いため、このスキルを認定する資格や検定も存在します。

医療事務の仕事内容まとめ
- 医療事務には受付・会計・請求の業務がある
- 受付は外来の受付、面会の受付・案内、電話対応などの接客業務
- 会計はカルテを元に医療費の計算をし、患者さんの保険区分に合った一部負担金を徴収する
- 医療費の計算方法は診療報酬制度というルールによって決められている
- 請求は一部負担金を差し引いた残りの医療費を保険者に請求する業務
- 保険者に提出する請求書のことを診療報酬明細書(レセプト)と呼ぶ
- レセプト作成・点検のスキルを認定する資格・検定が存在する
>>医療事務の給料や待遇は?